前回は、私にとっての最難関(自らの不手際で余計な手間がかかったのも事実ですが…)であったASQのためのホテル予約からCOE申請手続までをお話ししました。これでタイ渡航まではあと一息というところまでやってきました。
今回は、COE申請手続の後、飛行機を降りるまでのお話をしたいと思います。時期にして10月1日から10月9日までの間のお話です。
1 ステップ6-PCR検査及び搭乗可能健康証明書(「FTFHC」)取得
タイ王国大使館のホームページによれば、PCR検査及びFTFCについては、次のような要求があります。
① RT-PCR検査であること。
⇒ PCR検査には、いくつかの方法があるらしいのですが、そのうちRT-PCR検査の結果証明が必要とのことです。他の国では他の方法の検査が必要となる場合があるようですので十分な確認が必要です。
② 陰性結果証明は、英文かつ搭乗前72時間以内に発行されたものであること。
⇒ 証明書が72時間以内に発行されればよく、検査が72時間以内に実施される必要はないようです。実際、私も、10月1日に検体採取、5日に検査結果判明、7日に証明書発行という段取りを経ました。
③ FTFHCについては、文言上特に時間的制限は設けられていないこと。
⇒ ただ、PCR検査と一緒に行う方が良いことは言うまでもありませんし、医療機関の方もPCR検査とのパッケージでのサービスを提供している場合が多いと思います。私が利用した医療機関はそうでした。
④ PCR検査及びFTFHCの医療機関は特段指定されていないこと。
⇒ 国によっては(例えば中国)、大使館が指定する医療機関で検査を実施しなければならない場合がありますが、タイについては対応している医療機関がウェブサイト中のリンク(下記参照)で紹介されているものの、それに限定されていません。よって、上記①ないし③の対応をしてくれる医療機関であればどこでもよいということになりますが、タイ渡航関係の検査を多く扱っているところはおそらく大使館が紹介する医療機関でしょうから、そのほうが安全(かつ、料金も安い)かもしれません。私も、そういう見地から大使館が紹介する医療機関の1つに依頼しました。
タイ王国大使館のホームページにある医療機関紹介のリンクは、次のとおりです(HP上のリンクの位置は、少しわかりにくいところにあります。)。
このうち、a)は経済産業省のウェブサイト上の医療機関リストへのリンクであり、b)はタイ王国大使館がリストアップした医療機関です。a)よりもb)の方が見やすいかもしれません。また、下記URLから直接ジャンプができなければ、URLをコピー&ペーストしてください。
さて、検査等の方法ですが、これは医療機関により様々だと思います。私が利用した医療機関では、一切クリニックに行くことはなく、検査自体はホームページ上で検査キットを購入して検体(唾液)を採取して郵送するだけというお手軽なものでした。また、FTFHCについても、検査キットの販売とセットとなっており、後日かかってくる電話での問診に回答すれば発行されるというシンプルなものでした。また、その他の連絡は、全てメールベースで行われました。
もっとも、検体の送付日については必着日が指定されているので(それより前に到着すれば、早く結果が出てしまうとのこと)、医療機関からの指示については十分気を付けて対応する必要があります。また、唾液採取は思った以上に面倒(検体として出す唾液の量が多い)だったことは、個人的には驚きでした。
ともあれ、私の場合には、9月22日ころ検査パッケージを購入し、9月25日くらい検査キットが到着、10月2日が必着日であったため10月1日に検体採取+郵送、10月6日ころ検査結果(陰性)の連絡及び問診、10月8日に検査結果証明及びFTFHC原本を郵便で受領(写しについては10月6日にpdfで受領済み)、という流れでした。事の性質上渡航ぎりぎりの対応とならざるを得ないので少しはらはらしましたが、医療機関も慣れているせいか非常にシステマティックに進めていったので、それほどストレスには感じませんでした。
2 ステップ7-出発空港でのチェックイン
(1) 必要書類の準備
PCR検査証明とFTFHCをもらえれば、あとは出発あるのみです。荷物のパッキング、日本側での仕事の整理とあわただしい中ではありますが、それでも渡航に向けた書類については十分確認しましょう。不備があって渡航ができなければ元も子もありません。
タイ王国大使館のウェブサイトによれば、チェックイン時に必要な書類は次のとおりです。もちろん、これ以外にもeチケット控え(オンラインチェックイン後は搭乗券)も必要です。
ビザ又は再入国許可のあるパスポート【ステップ2参照】
COE【ステップ5参照】
申告書(Declaration Form)【ステップ5参照】
FTFHC(原本)【ステップ6参照】
PCR検査証明(原本)【ステップ6参照】
医療保険証【ステップ4参照】
AQRのためのホテル予約確認書【ステップ3参照】
(2) チェックイン
出発当日。羽田空港第3ターミナルには、出発時間の2時間半前に着いてしまいました。
チェックインカウンターの辺りは閑散そのもの。少し前の賑わいはどこに行ったのかと思うくらい寂しい雰囲気です。ディスプレイにはたくさんの便の情報がありますが、そのほとんどが「欠航」です。
さて、私はオンラインチェックインを済ませていたので、トランクを預ける場所に足を運びました。当然そこにも人がいて、上記で準備した書類が整っているかの確認をされました。
それが終わるとあとは安全検査⇒税関⇒出国審査という普通の手続です。行列など全くないことを除けば…。
さて、出国手続を終えて中に入ると、これがまた出発カウンター以上の閑散ぶり!私は以前からこの時間帯(午前8時前後)の羽田空港第3ターミナルをよく使用しており、普段の賑わいを知っているだけに、このゴーストタウンかと見まがうばかりの状態に少なからずショックを受けてしまいました。これが新型コロナの現実なのだな、と。思わず少しでもおカネを落とさなくちゃ、と思ってついつい空いていたフードコートでお好み焼きとビールを注文してしまったのは、ここだけの話です。
それでも、搭乗時刻が近付くと、ゲートの周りにはそれなりの人だかりができました。見れば、小さい子供を連れた連れのママたちの姿が多く見られます。母親は偉大だなと思って感心して眺めているうちに搭乗となりました。満席ではありませんが、座席1つ飛ばしで席が埋まっている感じでしたので、それなりの搭乗率だったと思います。
3 ステップ8-T.8フォームへの記入
羽田空港を飛び立ったNH847便は、途中台風14号の影響で揺れたりしながらも、一路バンコクを目指します。
着陸の1時間半前くらいになると、CAさんが入国書類を配りに来ました。渡されたのは、タイ入国の際にいつも配られるおなじみのTM.6フォーム(แบบ ตม. 6)に加え、健康状態に関する質問票であるT.8フォーム(แบบ ต. ๘)です。T.8フォームで記載すべき内容は、便名、出発地、到着地、座席番号、氏名、国籍、年齢、性別、職業、パスポート番号、タイの住所、過去14日に訪れた都市・国名、身体症状(該当項目があればチェックを入れる)、といったものであり、それほど大変なものではありませんので、ご安心あれ。
フォームを記入してしばらく経つと、飛行機は降下を開始し、雨季の終わりの雲をかき分けながら南下、一旦海に出たところで180旋回して北に向きを変え、スワンナプーム国際空港に着陸したのでした。(続く)
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